「写真との対話」森山大道

・写真制作上の方法というよりも、もっとそれ以前に僕の根底にある人間や世界に対する見方、考え方が写真のうえに必然的に反映しているのではないかと思っている。
・一体自分の生とは何か? といった絶え間ない自己確認の手段として、僕はカメラを持っているつもりなのだ。
・僕にとって、写真とは一枚の芸術作品を作るためのものではなくて、撮っても撮っても追いきれない膨大な世界の断片と、抜きさしならない自己の生とのかかわりのなかに、真のリアリティーを見つけるための、唯一の手段としてあるのだといえる。また、写真を主観性、客観性と二分することもナンセンスである。写真機という等価な光学機械を媒介にしていること、また、主観と客観が常に相対化されえるものである以上、一枚の写真には、必ずその双方の要素が内在しているはずである。